歴史・沿⾰ History

人を大切にすることから、すべてが始まった

創業者・楠田 喜弥人きやと の商い

雲仙きのこ本舗の創業者・楠田喜弥人は、島原半島の西有家町、山あいの茸山(なばやま)地区に生まれました。
やがて山を下り、有明海に近い須川地区で商いを始めます。
最初に手がけたのは、藁を編んだ「むしろ」を二つ折りにし、両脇を縫い合わせた袋「かます(叺)」の製造と販売でした。米や塩、石炭などを運び、保管するための、当時の暮らしに欠かせないものでした。

戦争と転換、そして挑戦

戦時中はロープを製造していましたが、終戦とともにその需要は失われます。
その後、喜弥人が新たな可能性を見いだしたのが、きのこの人工栽培でした。
1957年には「長崎県えのき茸生産組合」を設立。きのこ栽培の先進地である長野県への視察などを経て、えのき茸の人工栽培研究に取り組みます。
多くの農家が難しいと判断するなか、喜弥人は挑戦を続けました。
設備も技術も十分ではない時代。試行錯誤を重ねながら、きのこ栽培の道を切り拓いていきました。

焼け跡に残った、ひとつのダルマ

事業を続けるなか、喜弥人は火事により工場と自宅を失います。
焼け跡に残っていたのは、傷だらけのダルマでした。
「七転び八起き。ここから、もう一度やり直せ、ということだろう」
そのダルマを大切にし、再び立ち上がりました。
困難なときには、喜弥人を信頼し、資金面で支えてくれる人もいました。
あきらめずに挑戦すること。そして、人との信頼関係を大切にすること。
その姿勢が、雲仙きのこ本舗の歩みを支えてきました。

焼け跡に残り、今も大切に受け継がれているダルマ

人に支えられて、会社になる

創業当時は、わずかな人数で始まった会社でした。
きのこ栽培への挑戦を続けるなかで、少しずつ仲間が増え、事業も広がっていきました。
その歩みを支えてきたのは、社員や地域の方々、そして商品を選んでくださるお客さまとのつながりです。
一人ひとりを大切にし、信頼に応えること。
それは、創業から受け継がれてきた雲仙きのこ本舗の原点です。

創業者・楠田喜弥人

きのこの可能性を、商品へ

創業以来、雲仙きのこ本舗の事業の柱は、きのこです。
きのこを育てて販売するだけでなく、そのおいしさを活かし、新しい商品として届ける。加工食品への取り組みも、早くから始まりました。
1960年には、きのこ類の瓶詰め加工品の製造を開始。
昭和44年(1969年)には、「えのき茸のりんご酢甘漬」を製造し、島原半島を訪れる観光客にも販売していました。

えのき茸のりんご酢甘漬

昭和44年(1969年)製造「えのき茸のりんご酢甘漬」

受け継ぎ、さらに広げる

二代目・楠田 喜熊よしくま の挑戦

初代が築いたきのこ栽培と加工食品づくりを受け継ぎ、さらに事業を発展させたのが、二代目・楠田喜熊です。
雲仙普賢岳の噴火では、きのこ栽培にも大きな影響を受けました。
そうした困難を乗り越えながら、きのこ栽培を発展させるとともに、加工食品の商品開発にも力を注ぎました。
きのこ入り半生麺やきのこ御飯の素など、加工食品の幅を広げていきました。さらに商品開発を重ね、その代表となったのが「養々麺」です。
2000年には通信販売を開始し、自社の商品を全国のお客さまへ直接届けるようになりました。
きのこを柱に、栽培から加工、そして販売へ。
加工食品の製造と通信販売への挑戦が、雲仙きのこ本舗の大きな飛躍につながりました。

初代から二代目、そして三代目へ

2024年、雲仙きのこ本舗は三代目へと引き継がれました。
初代が切り拓いた、きのこ栽培。
早くから始まった、きのこを活かした加工食品づくり。
二代目がさらに発展させた、商品開発と通信販売。
時代とともに事業の形は変わっても、きのこを柱に、その可能性を広げながら挑戦を続けてきました。
そして、変わらず大切にしているのは、人とのつながりと信頼です。
創業から受け継いできた想いを胸に、雲仙きのこ本舗はこれからも歩み続けます。

素麺の製造現場に立つ二代目・楠田喜熊(右)

素麺の製造現場に立つ二代目・楠田喜熊(右)

会社沿革 Company History

1943 年
創業者楠田喜弥人によりロープ製造工場創立(南島原市西有家町)
1957 年
長崎県えのき茸生産組合設立
1960 年
きのこ類の瓶詰め加工品を製造
1976 年
法人化、えのき茸栽培施設施工(南島原市有家町)
1982 年
水耕栽培開始 (カイワレ大根、大葉)
2代目社長に楠田喜熊就任
1985 年
きのこ入り半生麺製造開始(きのこうどん、きのこ蕎麦等)
1988 年
レトルト食品製造開始(きのこ御飯の素)
1989 年
えのき茸工場新設(南島原市深江町)
1990 年
なめこ工場増設(南島原市深江町)
1991 年
雲仙普賢岳噴火
1992 年
きのこ包装・配送センター新設 椎茸菌床栽培開始
1992 年
きのこ工場新設(南島原市布津町)、雲仙普賢岳(平成新山)噴火の為一時閉鎖
冷凍食品製造(チャンポン、皿うどん、島原具雑煮等)
1993 年
「種菌研究所」新設、種菌製造開始
1997 年
えのき茸工場新設(雲仙市愛野町)
1998 年
舞茸栽培開始(南島原市深江町)
1999 年
なめこ工場増設(雲仙市愛野町)
2000 年
「養々麺」製造、通信販売開始
2001 年
長崎県特産品新作展「奨励賞」受賞(養々麺)
2002 年
えのき茸総合センター新設(南島原市有家町)
2003 年
加工食品・麺製造工場新設(南島原市有家町)
きのこもぎとり体験施設兼直売店「雲か山か愛野店」オープン
2004 年
エリンギ栽培開始(南島原市布津町)
2005 年
直営店「雲か山か福岡店」オープン
外国人技能実習生受入れ(中国)
えのき茸工場「森山センター」新設(諫早市)を追加
2007 年
株式会社に登記変更
長崎県農林業大賞「長崎県知事賞(グッドファーマー)」受賞
2008 年
エリンギ工場新設(雲仙市千々石町)
「厚生労働大臣賞」受賞
2010 年
えのき液体菌での栽培開始(韓国方式)
2011 年
農業生産法人㈱雲仙湯けむりファーム設立、エリンギ工場新設(雲仙市千々石町)
えのき茸工場建設(雲仙市小浜町)
2012 年
直営店「雲か山か雲仙店」オープン
アグリフードセンター新設(食品加工工場)
2013 年
アグリフードEXPO「輝く経営大賞」受賞
きのこ自動収穫装置導入、バイオマスボイラー導入
2014 年
「黄綬褒章」受章(二代目・楠田喜熊)
外国人技能実習生受入れ(ベトナム)
2015 年
障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰「優秀勤労障害者」受賞(1名)
長崎県知事表彰「優秀勤労障害者」受賞(1名)
2016 年
ぶなしめじ生産開始 舞茸包装室新設(布津センター)
2017 年
創立60 周年記念式典
有機JAS 認証取得(舞茸、えのき茸)
きのこカットセンター新設
2019 年
長崎農林業大賞 農産加工部門「長崎県知事賞」受章
2021 年
株式会社雲仙湯けむりファームを合併
2022 年
JR長崎駅かもめ市場内長崎駅店 開店
2024 年
養々麺の累計販売個数1870万食突破
三代目社長に楠田 喜隆就任
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